体当たりで敵を撃ち落とす!?ポスト・インベーダー1番手
・メーカー:ユニバーサル
・ジャンル:固定画面シューティング
・プレイ人数:1~2人(交互プレイ)
・リリース日:1979年8月にアーケードで稼働
ギャラクシーウォーズとは
空前の大ブームを巻き起こした「スペースインベーダー」発売の翌年、ゲームメーカー各社がポスト・インベーダーの座を狙いシューティングゲーム開発に勤しむ中、その1番手として名乗りを上げたのがユニバーサルから発売された固定画面シューティングゲーム「ギャラクシーウォーズ」である。
舞台が宇宙空間である事や敵がエイリアンである事などはスペースインベーダーと共通しており、他社ポスト・インベーダーゲームと比較してもテーマ自体には大きな相違点はない。しかしながら何をおいても、本作において特筆すべき点は自機を「誘導ミサイル」に置き換えた斬新なゲームシステムである。自機から発射されるミサイルで敵(UFO)を撃ち落とすのではなく、ミサイルその物になって敵に体当たりして倒すというゲーム性は本作によって初めてもたらされたものであり、本作が単なる「インベーダーゲームの後追い作品」ではなく、新たなブームを築こうとした挑戦的なゲームであった事が伺える。
自機を敵UFOのどの部分に当てるかによって得点が変わるため、高得点を狙って出せるのも面白い。左右に流れる隕石やUFOから発射されるミサイルの雨を掻い潜り、見事UFOを高得点で撃墜出来た時の爽快感は抜群だ。
操作方法
二方向レバー:発射台または誘導ミサイルを左右に動かす。
ボタン:誘導ミサイルの発射、噴射(発射後の加速)
ゲームシステム
自機(誘導ミサイル)を操作し、上空を飛ぶ8機のUFOを全て撃墜すると1面クリアとなる。途中UFOから放たれたミサイルや左右に流れる隕石に衝突する、もしくは自機発射前に発射台を破壊されると残機が1つ減る。
得点表:UFOのどの部分に当てて撃墜するかによって得点が変わる。1~4面で少しずつ得点が上がり、5面以降は固定となる。
面数 | 下部の出っ張り | 下部 | その他 |
---|---|---|---|
1面 | 150 | 100 | 50 |
2面 | 250 | 200 | 100 |
3面 | 350 | 300 | 100 |
4面 | 450 | 400 | 200 |
5面以降 | 550 | 500 | 200 |
600点のUFO:1面に1機だけ撃墜時の得点が600点になるUFOがある。全部で4パターンあり、それぞれ対象となる機体の下部にある出っ張りに当てると600得点となる。5面以降はパターン1面に戻り1~4面をループする。
1面 | 3機撃墜後、4機目のUFOの下部の出っ張りに当てる |
2面 | 4機撃墜後、5機目 |
3面 | 5機撃墜後、6機目 |
4面 | 6機撃墜後、7機目 |
基本テクニック:敵UFOが撃ってくるミサイルは、自機の先端部分で正面方向から受けることでノーダメージで弾くが出来る。また敵UFOのミサイルは一画面内に最大4発までしか発射されないため、弾数を把握しておくことでやや有利に進めることが出来る。
全国のゲーマー小僧が真似した!?必殺「炎のコマ」
インベーダーブームの興奮冷めやらぬ1979~1980年、ビデオゲームを取り巻く環境は大きく変わろうとしていました。あるものはインベーダーゲームの発展型を目指し、またあるものは全く異なるアプローチから次なるヒット作を模索し・・・。「東大生が作ったゲーム」として話題になり、その後アーケードゲームとして発売された「平安京エイリアン」が誕生したのもこの年の事です。誰もがビデオゲームに夢を見出し、一発当てれば大儲け出来る!とメーカーが続々と業界に参入しだし、ゲームが「一部のマニアのための物」から「広く大衆に愛される物」へと移り変わっていく過渡期を迎えていました。
本作ギャラクシーウォーズもその様な背景の中で制作されたゲームでしたが、斬新なゲームシステムが評価されたもののスペースインベーダーほどのインパクトは残せず。その後に発売されるナムコの大ヒットタイトル「ギャラクシアン」や「パックマン」に押され稼働期間が短かった事もあり、ゲーム市場でも(史上でも)陰に隠れた存在となってしまっています。
しかし当時のゲーマー小僧たちにとってギャラクシーウォーズは、「=あらしの炎のコマ」として数々の思い出と共に深く心に刻まれています。ビデオゲーム及びゲームカルチャーを題材とした少年漫画「ゲームセンターあらし」の連載初期に登場し、その後の主人公石野あらしの成長に大きな影響を与える必殺技「炎のコマ(レバーの超速操作で自機を消してしまう技)」が誕生するきっかけとなったゲームがこのギャラクシーウォーズであり、その反響の大きさから当時ゲームセンターでは実際に真似をした子供がレバーを破壊してしまうなんて事もあったとか・・・。何にせよこのメディアミックスの先駆けとも言えそうな「ギャラクシーウォーズ」と「ゲームセンターあらし」のタイアップは全国のゲーマー小僧たちに少なからぬ影響を与え、ゲームカルチャーの普及に一役買ったのです。